「さあ、下界へ帰ろう」
2024年9月、友人たちとでかけた福岡県朝倉市黒川にある、廃校利用山里の美術館「共星の里」
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朝倉出身の佐藤 正一さんのおすすめで、一度行ってみたいと思っていた場所。ゾクゾクしました。
ここは、廃校の小学校を有効利用したアート空間。開館したのはおよそ24年前。
これまでに100本以上の企画展を開催し、私が訪れたときは『皆島万作 曼陀羅展』が開催中でした。
山里とは思えない、数々の展示品。代表を務める尾藤 悦子さんいわく「本物を揃えています」。
尾藤さんのていねいな説明には、名だたるアーティストの名前が次々に飛び出し、ため息がもれるばかりでした。
一番奥の講堂は、厳かな雰囲気で、まるでお寺のような空気。
アートディレクターのKazunobu Yanagiさんに7年前に起こった九州北部豪雨災害の話を聞き、
校庭に点在する大きな岩は、山から流れてきたものだと知りました。
大量に流れ込んだ土砂。校舎前に立つ巨大オブジェが流木の侵入を防いだこと。
そして、ほとんどの作品が泥水に浸からなかったこと。
奇跡的な出来事にますます説明がつかないエネルギーを感じます。
20年以上前から障がい者アートに取り組んでいたことにも驚きました。
いまや、福祉アートの第一線で活躍するクリエイターたちが切磋琢磨した場所だと聞き、とてもご縁を感じました。
「みなさん、ここを去るときに、さぁ下界へ帰ろう とおっしゃる」と笑う尾藤さん。
アートの力がそう感じさせるのか、神気あふれる森がそう思わせるのか、地上であって地上ではない、そんな不思議な場所でした。
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