70年以上前につくられたと推測される、古いスザニをリメイク。鎌倉で初披露|kibi-ru ACTION

スザニはペルシア語で「縫い針」

ウズベキスタン伝統の刺繍布、スザニ。
木綿やシルクに、太陽や月、植物や花などの刺繍を施した装飾用の布で、
「Suzani」はペルシア語に起源があり、「縫い針」という意味です。

中央アジアでは嫁入り道具とされ、ウズベキスタンでは、女の子が生まれると母親が縫い始めるといいます。
また、あえて刺繍を途中で終わらせて、その続きを娘や嫁が埋めていく、という話もありました。

刺繍の多くは手作業(なかにはミシン刺繍もある)。女性たちが時間を惜しまずつくっています。制作中の動画を見つけましたので、参考までに。

参考=Uzbek Channel / ウズベキスタン暮らし
スザニ刺繍縫い方とインテリア実例
https://youtu.be/sxmWxX165do

 

国産リネンとあわせた作品づくり

2020年12月、アジア各地の少数民族の布や衣装を収集する「株式会社アーチコレクション」の声かけで、
保管されていた古いスザニをモチーフごとにカットしました。

少なくとも70年以上は経っていると思われる代物。経年劣化により、ベースの生地は軽く触れただけでも裂けるほどボロボロ。しかし、刺繍部分はしっかりと形を残していました。
装飾品として人々の暮らしを美しく彩るスザニ、母から娘へ愛情を込めてつくるスザニ。モチーフだけでも救い出して何かに生かせないか、というのがアーチコレクションの願いでした。

当日の様子はこちら
http://kibiru2024.xsrv.jp/kibiru/suzani/

株式会社アーチコレクション
http://www.archicollection.com/

 

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完成まではまだ時間がかかりそう

私はバッグの材料として、数種類のモチーフを購入。ベルギーリネン糸の平織とあわせたバッグを考えました。選んだリネンは、遠州織物(浜松)の職人たちが伝統的な技術でつくりだした麻布。しっかりとした厚みとやわらかさ、洗い込まれたようなくったり感があり、色褪せたモチーフとの相性がぴったりでした。

 

 

モチーフは一度洗浄して状態を整え、手芸教室を主宰する友人に縫い付けを依頼。
さらに、コラージュ作家の友人を巻き込んで、モチーフまわりに昭和のボタンをデコレーションしてもらいました。

スザニを元の形に復元するのではなく、あくまでも私たちの感性でリメイクする。
スザニの作り手に尊敬の念を抱きながら、時間も手間もかけて楽しんでつくった作品です。

<協力>
グランジュテ
https://www.instagram.com/grandjete1971/

ハンドメイド教室「マイナ」
https://www.instagram.com/handmademyna/

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持ち手には、ミシン刺繍されたスザニの枠部分を利用。色褪せたフリンジもスザニに縫い付けられていたもので、
縫い子さんたちが切れた糸を修復しながらバッグにつけました。

考案からおよそ4ヶ月。あ〜でもない、こ〜でもないと試行錯誤しながら今の形にたどりつきましたが、まだ未完成。
もっと手を加えたい。もう、バッグという概念は捨ててしまい、自由な表現へと向かっていきます。

なので、1月の鎌倉展示会で披露はしますが、まだ道の途中と思ってご笑覧ください。納得がいくものになるには、まだ時間が必要のようです。
この完成を目標に、2022年は旅していきたいと思います。

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