東京ドーム4つ分の敷地に、昔ながらの里山の風景が広がる
コロナで自粛中、娘とふたりでよく近所に散歩にでかけました。私が住む町には雑木林や茶畑があり、ふいに出会う緑の景色に何度も心を救われました。先日、友人N子と訪れた、ここ、三富(さんとめ)今昔村でも「緑っていいね〜」のセリフを何度いったかわかりません。自然は人を生き返らせますね。
三富今昔村は、いまから300年以上前、川越藩主・柳沢吉保(やなぎさわ よしやす)が率いた大規模な新田開発「三富新田」が行われたエリアにあります。農民たちの手によって、やせた土壌はヤマユリが咲く美しい里山になり、自然と共存する豊かな生活が広がっていたそうです。ところが、近代化にともなうライフスタイルの変化で、里山は荒廃。森はうっそうとし、近年はゴミの不法投棄場所となっていました。
そのゴミ山をふたたび美しい里山に蘇らせたのが、三富地域にある産業廃棄物処理会社「石坂産業株式会社」。2015年、資源再生工場を中心に、里山をテーマとしたテーマパークを誕生させます。代表取締役の石坂典子さんは、その画期的な経営方針で世界から注目を集める話題の人物です。
9つのエリアで構成された森。おすすめは「陽」エリア
・森の動植物は持ち帰り禁止
・ゴミはすべて持ち帰り(オムツも含む)
・フリスビー、ボールなどの遊具持ち込み禁止
・ペットボトル、弁当(手作り除外)の持ち込み禁止
など、細かなルールには、正直、最初は戸惑いました。でも、それがかえって「自然との共存」を深く考えさせるきっかけにもなりました。生理用ナプキンさえも持ち帰らせる徹底ぶりには、驚きと同時に、この施設の本気度を感じます。
私が個人的に好きなスポットは、陽(あかり)エリアにある「緑・万華鏡」。木製デッキに寝そべって空を見上げると、木の葉がカサカサと音をたてながら揺れています。ときおり、波のように大きく枝が揺れ、木漏れ日が目に刺さって何度もまぶたを閉じました。気持ちよすぎて、長い時間ゴロゴロしていたら、だいぶ蚊に刺されてしまいました(笑)。
お楽しみのランチは「集」か「プラザ」か。。
コーヒー、ピザ、ラーメンなどが味わえる、芝生のフードコート「集(つどい)」エリアで、スタッフのおじさんに鶏だしの自家製ラーメンを激推しされ、心は激しく揺れましたが(笑)、おしゃれレストランがある「くぬぎの森交流プラザ」へ。ここでは、敷地内の農園でとれた野菜メインのメニューが味わえます。私はドリアをチョイスし、N子はオムライスに。どちらにもたっぷりと生野菜がついています。レストランはブックカフェとしても営業しているそうです。
kibi-ru ACTIONの7月の展示会は、おりしも「リユース」がテーマ。堅苦しいメッセージはうたいませんが、「つくる責任、つかう責任」を見直すきっかけは発信したいと思いながら、準備に勤しんでいます。お時間がありましたら遊びにいらしてください。
最後の写真は、「三富今昔村 入村BOOK」(200円)。いま自分にできることを考える、すてきな一冊です。