2026年8月27日、女子聖学院高校(東京都北区)の探求ゼミ「ecomame(エコマメ)」の5周年記念総会にお招きいただき、伺ってきました。
普段は「アースデイ東京」で出会った縁から、外部サポーターとして彼女たちと交流しています。会場には現役メンバーやOG、顧問の先生、そして外部サポーターが集い、あたたかな熱気に包まれていました。
活動の軌跡と未来への想いに触れ、私自身もたくさんの勇気をもらった一日の様子をお伝えします。


「あせらなくていい」ソーシャルイノベーションの教え
会の半ばでは、千葉商科大学人間社会学部の齊藤紀子学部長による特別講演「社会的課題の解決−活動継続が社会を変える」が行われました。
齊藤教授はゼミ生とともに、JR久留里線沿線の地域活性化をめざした「ブルーベリープロジェクト」に取り組まれています。
木更津市産業・創業支援センターや観光農園「エザワフルーツランド」などの組織と協働し、農薬や化学肥料を使わずに育てたブルーベリーの魅力を伝えるため、商品開発や広報活動を行ってきた実績をお話ししてくださいました。
ソーシャルビジネスの第一線で活躍されてきた齊藤教授の言葉の中で、とくに心に残ったものがあります。
「ソーシャルイノベーションは、数年から数十年かけて少しずつ進んでいくもの。いきつもどりつを繰り返しながら、創出から普及、そしてビジネスモデルとなり、社会を少しずつよくしていく。だから、あせらなくていい。」
現在いくつかのプロジェクトに関わっている私にとって、「あせらなくていい」という言葉は、やさしく肩を叩かれたような心地がし、大きな癒しと勇気をもらいました。
小さな取り組みを長く続けていくこと。それぞれの強みを持ち寄り、人と人が点から面へとつながっていくこと。動くことで自分や関わる人の学びになり、それが誇りになっていく。深く心に刺さるお話でした。



OGと現役生徒が語る「行動すること」の意味
続いて行われた卒業生からの言葉では、現在大学2年生のOGが登壇しました。印象的だったのは、彼女が語った次の言葉です。
「これまでボランティアをやったことはなかったが、やってみたら楽しかった。誰かにありがとうと喜んでもらえるのがうれしかった。楽しくて、人に喜ばれて『これっていいじゃんっ』と思った。」
「ecomameを通して行動すること、挑戦することを学んだ。そばにいる仲間の存在も心強かった。」
「活動する中で社会問題に真剣に向かい合う人にあった。それまでは、こうした取り組みは『すごい人』や『特別な人』が行うことだと思っていたが、そうではなく、行動することが『すごいこと』なのだと知った。だから、行動した私たちって『すごいじゃん』と思っている。」
「かわいく、たのしく」をモットーに継続したいと語る姿に、行動を起こすことの真の価値が見えた気がしました。
また、同じテーブルについた現役のecomame生との間では、こんな会話がありました。
私「どうしてecomameに入ったの?」
学生「先輩たちが楽しそうにしていたから」
私「実際入ってどうだった?」
学生「これ、ガチじゃんと思った」
先輩たちの背中に憧れて入部した生徒の素直な言葉。「ガチ」な活動を通して、彼女たちがこれからどんな経験を重ねていくのか、楽しみでなりません。



寄り添う指導者と、広がる可能性
ecomameの創設者であり顧問の大井先生は、会えば学生以上に無邪気な笑顔で「いつもありがとうございます」と近づいてきてくださる方です。常に主役の座を生徒たちに渡し、見えないところで細やかに脇役を務める姿に、高い信頼の理由を実感します。
「やりたい」を「やってみよう」に変える場所。
大井先生のその願いを生徒たちが証明し、5年前には8名でスタートしたサークルが、今では26名にまで広がっています。


「ecomame」という名前は、イメージカラーの緑から連想された、サヤの中になかよく入った枝豆と、エコ活動を掛け合わせて名付けられたそうです。
枝豆の花言葉は、「必ずくる幸せ、可能性は無限大」。
小さな芽が少しずつ伸び、人と繋がりながら広がっていく様子は、まさに齊藤教授の語るソーシャルイノベーションの姿そのものでした。
自分のペースで、小さな行動を長く重ねていくこと。彼女たちのキラキラした姿を見つめながら、私自身もまた、ひとつひとつ自分の歩みを進めていこうと感じた一日でした。これからもecomameの挑戦を応援し続けていきます。


著書「子どもの声から引き出される探究学習」
https://books.parade.co.jp/category/genre05/978-4-434-36058-9.html

