N様との出会いは、地元で開催されたマーケット。
出店中にオーダーを受けることは少ないのですが、
あまりに魅力的な生地だったので、ぜひやってみたい!と
前のめりでお話ししたのを覚えています。
他界されたお母様のツーピースと、
実家の茶箱の中にあったという着物のはぎれ。
どの布も私好み。
なかでも、凛々しい鶏の姿は
私の創作意欲をかきたてました。
モダンな柄の絣や、大島紬、絞り染めの着物をつなぎあわせ、
ハンドルには、真っ赤な牛革をつけたいと思い、
KUNIKO’S FACTORYの持ち手を。
ピタリとはまって快感でした。
聞けば、こちらのツーピース。
ご依頼主が小学生のころ、入学式でお母様が
着ていたものだそう。
「母は、ずいぶんと
目立っていたと思うんです。
たしか、あの頃は
茶髪でおかっぱだったし」。
そんな話をコーヒーショップで
聞きながら、頬が緩みます。
(こういう時間が本当に好き)
自分で着ることはないという
真っ赤なツーピース、
お母様が集めた着物のはぎれ。
これらをリメイクしてくれる人を
探していたそうで、
「決して安くはないけれど、
唯一無二だから。
即決でオーダーをお願いした」
と、にこり。
私を選んでいただき、
ありがとうございます。