伝福連携とは、伝統工芸産業(伝)と障害者福祉(福)を連携させる取り組みのこと。後継者不足に悩む伝統工芸産業で、障害のある人を新たな担い手として活躍させることを目的としています。
MotherNess Publishing主催の「五感のとびらをひらく旅」最終日にいってきました。
まさに、その伝福連携の取り組みがスタイリッシュに展示されていました。
障がいのある人たちの手仕事を集めたエキシビジョン。
その構成、見せ方、ストーリー、震えました。すばらしかった。
福祉と関わる人たちとよく話題になるのが「障がい者」という呼び方をなくせないものか、ということ。
ここでは、彼らをクラフトパーソンと呼んでいました。
それがとてもマッチしていて心地よかったです。
会場には、趣向を凝らした8つの部屋があり、ツアーコンダクター役のスタッフといっしょに一つずつ扉を開けて、展示室をまわるという構成。私の担当はかとちゃんという美大卒の若い女性でした。
一つひとつ説明を聞きながら展示物に触れ、その背景にイマジネーションをふくらませます。
かとちゃんは、展示物の素材や作業工程をていねいに説明してくれました。
そして最後に、「これらはすべて福祉作業所でつくられたものです」とさらりといいます。
これがいい。
全面に福祉を押し出さないのがとても気持ちいい。
展示は終了してしまいましたが、詳細はこちらをご覧ください。
https://mothernessp.com/welfaretrip-did1/
私が一番印象に残った部屋は、7つめの「布の部屋」。
数カ所の福祉作業所でつくられた<お浄巾>が並んでいました。
一緒に部屋をまわった初対面の女性と「布が愛おしくなるぅ〜」と盛り上がりながら、
針の音さえ聞こえてきそうな味わい深い針目を堪能しました。
布を最後まで使い切る針供養ならぬ「布供養」という考え方にも共感です。