所沢が織物の町だと知ったのは、ほんの数年前。
古民家好きの私を惹きつけて止まない「秋田家」
江戸時代後半から、所沢周辺では、農家の副業として織物が盛んに織られていました。
これらの織物は、所沢に集まり、「所沢織物」と呼ばれ、明治期には全国的に知れ渡りました。
やがて「所沢絣(飛白)」というブランドとなり、所沢は飛躍的に発展しました。
(協同組合 伝統技法研究会 編集発行 織物の町 所沢の歴史を伝える秋田家より抜粋)
所沢に住んで20年近くになりますが、そんな歴史があると知ったのは3年ほど前。
織物で栄えた町で、民族織物を扱う仕事をはじめるなんて、、、不思議な気持ちです。
年に2回、6月と10月ころに一般公開される「秋田家」。毎年タイミングを逃していましたが、やっと行けました。
真夏のような強い日差しと蒸し暑さ。でも、離れ(座敷)はそよそよと風が通り抜け、とても気持ちがいい。
見学にきていた幼稚園生くらいの女の子が「パパ、ここ泊まりたい!」というのもうなづけます。
秋田家は屋号を「井筒屋」といい、所沢の織物産業を支える綿糸商でした。
土蔵、門、塀、瓦、どれも重厚なつくりで、タワーマンションが林立する所沢の中心市街地の中で
異色の存在感を放っています。
↓ここは、秋田家で一番格式高い部屋といわれる離れ。冬はすだれが障子に変わるそうです。
私が一番感動したのは、見世の2階で見た「絵入砂摺ガラス」。六角形と桜の花びらがあしらわれています。
しゃれている〜。こんなテキスタイルがあったらほし〜。
摺ガラス越しに見る外の景色は、レトロに目に映るから不思議です。
私が生まれ育った福岡の町には、大きな博多織の工場があり、叔母は優秀な織工でした。
なんだかんだで、織物とはご縁があるのかもしれません。
それにしても、古い建造物はいいですね〜。先日聞いたばかりの「所澤小唄」が頭の中を流れます。
秋田家住宅は、国の有形文化財(建造物)です。